「森の少女と優しい龍」を終えて

『モノトーンミュージアムRPG』を遊んできました。
どんなRPGかというと。背表紙には”アイロニックメルヘンRPG”とあります。分かるような分からないような。今のところ、デザイナーのこのtwitterが僕には一番分かりやすかったです。

"御標”という神の啓示に従って人々が生きる世界で、自らの信念によって御標から解き放たれた者“紡ぎ手”が、御標を歪める怪物“異形”と戦い、歪んだ御標を元に戻していくゲームです。全体にお伽話やオペラ、ミュージカルなどのモチーフがちりばめられた、童話的ファンタジー世界となっています。

http://twitter.com/#!/suganotasuku/status/104161461722562560


で、そんなTRPGの付属シナリオ「森の少女と優しい龍」を遊んできました。
面子は以下の通り。僕はGM以外の方とは皆初めましてでした。

GM:ruwindさん

三下大好きっ子でありながらも、ロマンティストなGM。
だから教会はヒャッハーしても、龍はヒャッハーしない。

PC1:ヴォラール/宵闇の怪盗/akiyuki

歪んだ御標で私腹を蓄える権力者から財宝を盗み出す義賊。たまに自分の立ち位置を素で忘れるのは「おじさん」だから。たまにとってつけたような厨弐台詞を言うのはPC1だから。

PC2:ガーロード/守護の騎士/Dowaさん

高名で自尊心に溢れる騎士。脱線してバラバラになる紡ぎ手たちを繋ぐ最後の希望。それから防御はもとより、高いリアルラックであの命中の低さを補っていたのは羨望の眼差し。

PC3:アンデルセン/名もなき旅人/エースさん

異形は斬るが信条の旅の僧侶。エイメンとか唱えつつ、《旅は喜び》を再生能力とか言ってた。子供には優しいフラグを立てつつ、クライマックスに紡ぎ手側に合流する綱渡り!?

PC4:マダラ先生/針の魔女/Yukaさん

”幸福の王子”の側近で、出自は脇役。常に影だったが、王子の留守をついて物語の主役となるというオイシイ立ち位置。その名前のせいで、外見がデブネコかタヌキにしか見えなかった。

PC5:リクとソウ/童子・其達/tosiさん

一人二役業界の第一人者!? 紡ぎ手とエキストラの双子の兄妹。どちらが誰か区別がつかない。どちらが紡ぎ手かも区別がつかない。というか最後まで明かされなかった!

モノトンは僕が1回プレイしたことがあるだけで、あとのヒトは皆初プレイ。そんな状況で、テキパキと説明したり、小道具を用意して、スムーズにセッション進行させるGMテクニックはさすが。シナリオの方にも微妙に手を入れてあって、フォーカス判定が組み込まれていたりして驚きました。


シナリオの内容は付属シナリオなので割愛しつつも。途中で、ブレカナ2ndの名作シナリオ「処刑都市」に似ているところがあるかもなーと、漠然と思ったりしました。つまりシステム1本目にしては、事故りにくいというわけではないけど、モノトンの世界はこんな感じなんだなと感じさせてくれるシナリオ。面白かったです。


システムとしては、昨今のシステムに珍しく、システムがセッションを収束させてくれないシステム。ほおっておくと、システムがセッションを崩壊させにかかるので、参加者が皆でセッションを収束させなければいけないという面白い方向性を感じました。


また戦闘バランスも面白く。剥離値を気にせず、逸脱能力でゴリ押しすれば、戦闘で負けることはそうそうなさそうなバランス。キャラクターをガチ組みしなくても、適当でなんとかなるよーというイージーで大味な一面を見せつつ。HPが0以下になると復活するブレイクスルー(ブレイク、覚悟)がないので、剥離値を気にすると戦闘バランスはかなりシビアでハードな一面を見せてくれます。これは1システムの中にイージーモードとハードモードを同時に包有しているのかなと感じさせられました。


世界は独特でイメージの共有は難しく。でも熱心にあーでもないこーでもないと語れる世界というのは魅力的だからだと思います。どうでもいい世界ならば、「どうして?」の疑問を持ち続けられないから。イメージの共有が難しいのは、ある程度時間が解決してくれるかなと楽観的に考えています。かつての天羅やN◎VAのように。


そうそう。それから今回はボスは、逸脱能力を使う度に、剥離値を上昇させる代わりに世界歪曲表を振ることにしたというレギュレーションで遊びました。これが阿鼻叫喚混沌として楽しかったことを付け加えておきます。


そんなわけで。決して簡単ではない。でも遊びがいがありそうな魅力的なシステムだなと思いました。また機会を作って遊んでみようと思います。