シナリオクラフトネタふたたび

以前、シナリオクラフトは新しい遊び方の示唆を含んでいるのではないか?ということを書きましたが、そこらへんについてもう少し。とりとめもなくダラダラっと*1。ときたま発症する病なので読み飛ばし歓迎w


TRPGは自由だ。だからなんでもアリ、とか言われたこともあったみたいですが、結局のところなんでもアリはなんにも出来ないに等しいんじゃないかと思う今日この頃。個人的には、システムによる制限やシナリオによる制限があることによって、セッションが成立しやすくなると思うのです。


そして評判がよいマスターは多かれ少なかれ(明らかにかさりげなくかはさておき)制限を課すことによって、セッションのハンドリングをおこなってきたと考えています。このテクニックを明示化したのがハンドアウトではないでしょうか。


このテクニックが普及したことによって、セッションの成功率は格段に高まったと個人的には思っています。
ハンドアウトはセッションやシナリオ(つまり主にGM)にやさしいテクニックでありつつ、PLにはセッションで活躍しやすい方向を示してくれました。しかしPLに対して、ハンドアウトに(なるべく)即したキャラクターを作らなければならないという枷も貸してきたと思います*2。いくらすり合わせを行っても無理なものは無理です。すり合わせは万能ではありません。


それでもセッション成立のための負荷の一部を GMから PLに委譲することが出来ると考え、ハンドアウトを導入必至のテクニックとして活用してきました(僕は)。


その影響か、最近キャラクターの使いまわしが減ったなぁと漠然と感じていたりします。この頃セッション毎にシナリオにあわせたキャラクターを作ることが多いような気がするのは、僕のプレイコミュニティだけでしょうか?
個人的にはキャンペーンでない単発セッションで使用したキャラクターも使いまわす率が減ってきているようです。もちろんこれは単発セッションでもパーソナルゴールを達成して、キャラクターを使いまわす理由がなくなったという場合もあり、一概にマイナス要素として主張するつもりはないのですが。


でも僕らも(GM/PLとして)以前よりはセッションを安定して回せるようになってきた(と勝手に思っている)ので、そろそろその枷をゆるめてもいいんじゃないかと思っていました。そろそろ揺り返しも必要かなと。

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ところで。これまた評判のよいマスターは、シナリオの柔軟性があったり、PC受け入れの間口が広かったりすると個人的には思っています*3
自分が考えたキャラクターが受け入れられるのは嬉しいし、PCのユニークな活躍がセッションに反映されるのも嬉しいものです。これは自分たちの物語(セッション)だという気がします*4。もちろんセッションが楽しく成立した上での話ですが。


そのためのGMとしてのテクニックは、PLのアイデアやPCの設定をいわゆる「拾う」ことだと思っています。
PLとしてのテクニック*5卓の空気を呼んで、セッション進行に寄与するアクションをとることだと思います。


そしてシナリオクラフトにはこの無形のテクニックを普及させる(というかプレイノウハウを蓄積させる)セッションを作る可能性が高いギミックじゃないかと思ったのです。このシステムで遊ぶと基本的に PLは HOT*6を用いたとしても、

ハンドアウトよりは自由なキャラクターをセッションに持ち込むことが出来ます(HOTをGMが指定しなかった場合)。しかし好き勝手なキャラクターを持ち込んでも、セッション成立にに対する負荷は以前のようにGMにのみ重く圧し掛かることはありません。制限時間内にセッションを進行させるというシステム的な枷を貸すことによって、負荷はGMとPLで分担しているのです。


だったらHOTもいらなくね?という話もあるかもしれません、。
しかしそれだとセッション時に他人とキャラクターイメージが共有しづらいのです。よくわからないキャラクターには絡みづらいので、セッションの活性化を妨げると思います。そこでまずはパーソナルデータを定型化することによって、レポート用紙何ページものキャラ設定を読み上げられることなく*7、イメージの共有がしやすい方向に進化してきました。でもそれだけだと設定はあるけどモチベーションが少ない(分りづらい)キャラクターが出来やすいと思うのです。そこらへんを明らかにするのが HOTじゃないかなと思っています。
まぁまだ完全に自由な状態からセッションを安定して回せるほど、成熟しているわけではないのだと思います(少なくとも僕は)。


で、何が言いたいのかと言いますと。結局のところシナリオクラフトも既存テクニックに基づく、プレイノウハウの吸収や浸透のための環境整備という観点でみると案外受け入れやすいんじゃないかなーと。シナリオテンプレートとかまさにそーでしょ。ランダムが嫌なら ROCしたり、好きに入れ替えればいいんじゃないかと。少なくとも僕はランダムに基づく意外性を評価しているわけではなく。GMとPLが協力して物語を作るという夢物語がさらに進化したんじゃないかと思っているわけで。

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それから。もうちょっと別のことも考えていまして*8


現状セッションを行う際に、GM/PLどちらにしてもセッション時間とは別にシナリオを準備したり、キャラクターを作ったり、参加者で調整したりする準備時間に多くを割いていると思います。


もちろんその時間は楽しいものです。しかしその時間が負荷となってプレイ機会を今後減らしていく人が増えていくような気がします。


シナリオについては最近は魅力的なシナリオがたくさん提供されることによって、その負荷を軽くしていると思います。


キャラクター作成いについては、毎回セッションをキャラクター作成からはじめれば準備時間はいらないという話もありますが、折角皆貴重な時間を割いて集まったのだから、キャラクター作成という個人作業にはあまり時間は割きたくないというのが以前からの僕の意見です。セッション時間も長くなるし。またサンプルキャラクターを使えばいいじゃんという話もありますが、そればかりでもまた物足りないという我侭っぷり。
そこでサンプルキャラクターをいじったり、事前に作ったキャラクターの使いまわし率を高めることによって、その準備時間の短縮を図れないかなーと考えています。


でも当日決めたっハンドアウトにあわせたキャラクターを作成(選択、調整)するのは PLに負荷が高く、
好き勝手に作ったキャラクターにシナリオを合わせるのは GMに負荷が高い。


そこらへんの負荷をシナリオクラフトという遊び方は吸収してくれるんじゃないかなと。
事前調製なしで、当日キャラクター作成(選択、調整)から初めて、実セッションを含めて5,6時間で回せるような遊び方が、選択肢のひとつとして定着すれば、今よりもTRPGにかけるパワーを少なくしてセッションが楽しめるんじゃないかなーと思っています。


ローパワーでも遊べた方が趣味として継続しやすいし、廃人はたくさん遊びやすいんじゃないかとw


ただしこの遊び方は参加者がそれなりにルールブックを読み込んでいるというのが前提となります。
でもルールを知らずに「何度も」遊ぶというプレイスタイルは、その人はラクでも、他の人に負荷をかけると思うのです。だから僕の中ではルールブックをそれなりに(流し読みでも)読むというのは遊ぶ上での必然でいいんじゃないかなと。ついでにいうとルール知らない人向けには入門(付属)シナリオがあるんだから、それをやればいいじゃんとか思うわけです。


あとシナリオクラフトで遊ぶと GMすることないんじゃない?という話も聞きますが。
僕は GMありで遊ぶことに興味があります。これは僕がまだ新しい遊び方についていけていないのかもしれませんが、PLの妄言を拾ったり、調整して、セッションの方向性を打ち出していくのは GMの重要な役目であり、楽しみだと思っているからです。


そんなわけで。現在シナリオクラフトでのプレイは、カジュアルな環境でのプレイが推奨されていますが、この遊び方が普及することによって普通にコンベンションでも遊ばれる一つの選択肢となったらいいなーと願ってやみません。プレイノウハウが蓄積すれば一期一会でもいけるんじゃないか?という妄想。僕にとっては、決して他にネタがないからシナリオクラフトやっとくか的なものじゃないようです。


ところでここまで書いておきながら、まだ僕はシナリオクラフトで遊んだことがないわけですが!(オチ
。。。まぁ実際に遊んだらまた印象が変わるかもしれません。なんだこのギミック塵じゃん、とかw

*1:書き終えてみたら予想を超えてとりとめがなかった!でも後悔していない

*2:個人的な努力が他の人がどのように感じているかはさておき。僕はいつだってハンドアウトにジャストフィットとつもりですYO!

*3:あと独創的なシナリオを書くというのは、もちろん高い評価に繋がりますが、この能力は属人性が高いので。。。

*4:FF10っぽく

*5:よいGMを育てるのはよいPL、プレイ環境じゃないかと

*6:ハンドアウトテンプレート。詳しくはぐぐれ。今手元に資料がない

*7:いやほんとによくあったんですよ(老害っ面で

*8:もー、ぐだぐだとか言うなw